フェールオーバーのインストール

フェールオーバーは、プライマリシステムが正常に機能していない場合に、WhatsUp Gold のプライマリインストールからスタンドバイ WhatsUp システムに自動的に切り替わる機能を持つメカニズムです。フェールオーバーは、スイッチオーバーとは異なります。スイッチオーバーではネットワークの管理者が手動で切り替える必要がありますが、フェールオーバーでは自動的に切り替わります。WhatsUp Gold Failover Manager は、プライマリシステムに障害が発生した場合に自動的に対処することで、コストのかかるダウンタイムを短縮します。

Failover Manager では、ユーザが設定可能な基準を利用して障害状態を判断します。すべてのサービスが無効になった場合と特定のサービスが無効になった場合、どちらの場合にプライマリシステムを停止するかを選択できます。たとえば、すべてのサービスが無効になった場合という基準を選択すると、セカンダリシステムが引き継ぐには、プライマリサービスで WhatsUp Gold が使用しているサービスは停止しなければなりません。ポーリングエンジンと Web サーバーのみが無効になった場合という基準を選択し、なんらかの理由によりプライマリシステムでこれらが無効になった場合は、プライマリシステムが回復するまで、セカンダリシステムが WhatsUp Gold ネットワーク管理作業を引き継ぎます。

現在、WhatsUp Gold Failover Manager では 2 つのシナリオがサポートされています。各シナリオでは、WhatsUp Gold のプライマリインストールとセカンダリインストールをどちらも使用し、データベースはセカンダリシステムに存在するものか、または独自のシステムに存在するものを使用します。

シナリオ 1 では、プライマリシステムは、セカンダリシステムにあるリモートデータベースを使用します。このシステムには 2 つの物理マシンしか関与しないため、もう一方よりも経済的です。この 1 番目のシナリオは経済的ですが、セカンダリシステムがダウンした場合にソリューションが無効になるため、リスクが高くなります。

シナリオ 2 では、プライマリとセカンダリの両方のシステムは、別の Microsoft SQL Server システムに格納されているリモートデータベースを使用します。このシステムは、3 つの物理マシンを導入するため実装にコストがかかりますが、ネットワークの通信範囲をより安全に保護します。

メモ WhatsUp Gold は、フェールオーバーシナリオ 2 により、SQL クラスタのフェールオーバーをサポートします。

重要 データの冗長性は、プライマリシステムとセカンダリシステムのどちらか、または両方がバックアップおよびデータ復元のために複数の場所にデータを書き込むと発生します。WhatsUp Gold の Failover Manager では、プライマリまたはセカンダリシステムのデータは 1 つのデータベースに書き込まれます。ネットワークの通信範囲全体を拡張し、データを保護するには、定期的なバックアップのスケジュールを設定するか、WhatsUp Gold データベースをホストするシステムのデータを保護して保存するため別の措置を講じる必要があります。

参照

WhatsUp Setup を使用した WhatsUp Gold のインストールと設定

インストールの概要

WhatsUp Gold の標準的なインストール

分散型インストール