スキャンルールを調整する
類似したサブロールのスキャンルールを再利用する場合によく使われるアプローチは次のとおりです。
企業 OID 部分を置き換える。ほとんどの場合、MIB OID の企業部分を変更するだけで、既存のルールを利用して別のブランドの類似デバイスを検出することができます。
SNMP などの管理プロトコルは、デバイス管理情報にアクセスする確実な手段です。ほとんどのロール定義では、以下の有無を確認するか、テストします。
- 企業部分。IANA で承認された企業オブジェクト識別子 (OID) からメーカーを識別します。
- モジュール識別子。アクセスする SNMPv2 MIB モジュールを識別します。
: 複製するために選択したデフォルトロール/サブロールが適切である場合は、モジュール識別子 (およびこれを使用するスキャンルール) をほとんど再利用できます。
以下の例は、APC (lcUpsIdentManufacturer=318) UPS デバイスではなく Liebert デバイス (lcUpsIdentManufacturer=476) の情報を返すように、OID の企業部分を編集する方法をご紹介しています。
SNMP モジュール識別子を再利用する。異なるブランドやベンダーの類似デバイスを検出するようにロールを拡張する場合、デバイスの種類 (NIC、プリンタ、UPS) やソフトウェアプロトコルスタック (HTTP、OSPF、IP) を識別する OID を再利用できます。
モジュール識別子はプロトコルや機器の種類を示す負数以外の番号であり、SNMP MIB 管理情報として WhatsUp Gold で使用できます。このため、「企業」に固有の企業 OID と異なり、デバイスの種類 (NIC、プリンタ、UPS) やソフトウェアプロトコルスタック (HTTP、OSPF、IP) を識別する OID は共有され、再利用できます。
ルールグループ内およびグループ間のロジックを確認する。デフォルトロールをコピーする場合、これらのロールは意図的に一般化されていることを理解し、簡単な「任意一致」評価 (グループの任意の 1 つのルールでロールを指名できる) に使用してください。もっと具体的なスキャンルールを追加する (特定のデバイスブランドなど) 場合には、ルールグループの調整が必要になります。
カスタムモニタを作成する際に、評価ロジックをデフォルトロールで使用されているものと比較し、確認します。必要に応じて調整します。
次のインフォグラフィックスでは、デフォルト UPS のスキャンルールとカスタムロールに適したスキャンルールを比較しています。
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ルールの意味
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ルールが True の場合に検出される結果...
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指定されている SNMP v2 UPS モジュールで検出されたデバイス、または「UPS」のデフォルトの機能カテゴリの検出基準を満たすデバイスに一致する、デフォルトUPS サブロールのスキャンルールグループ。
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デバイスは UPS として識別され、基本的な監視が有効になっています。デバイスが APC ブランドである場合、(デフォルトロールの監視リストに含まれている) APC 固有のモニタが適用されます。
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値「318」 (APC のベンダー ID) を持つエンタープライズ MIB オブジェクトを確認するデフォルト UPS サブロールルール。
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デバイスは APC ブランドの UPS として識別され、基本的な監視とベンダー固有の監視が適用されます。
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ブール演算子 AND (すべてのルールに一致) でつながっているカスタム UPS サブロールのスキャンルール。最初に UPS の SNMP MIB モジュールがデバイス上に存在するかどうかを確認し、次にそのデバイスのベンダー ID が Liebert を示す「476」であるかどうかを確認します。
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デバイスは Liebert ブランドの UPS として識別され、基本的な監視とベンダー固有の監視が適用されます。
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