MOVEit Transfer は、データベースサーバーを使用して組織の設定、ユーザーアカウント情報、フォルダーおよびファイル情報などを格納します。ほとんどの場合、管理者による、データベースの積極的な保守は必要はありません。
まれに、1 つ以上のデータベーステーブルが破損したことが原因で MOVEit Transfer アプリケーションの機能の一部が停止することがあります。このような破損は、停電時や、データベースサーバーの実行中にバックアッププログラムがデータベーステーブルファイルを複製した際の予期しない再起動が原因で発生します (以下の「代替のバックアップ対策」も参照)。破損したデータベーステーブルが修復されるまで、データベースサーバーはデータベーステーブルにアクセスできません。
データベースの破損が疑われる場合は、まず、MOVEit Transfer のデバッグログをチェックしてください。MOVEit Transfer は、通常のセッション時にデータベースサーバーに複数回アクセスし、深刻なデータベース問題をデバッグログに記録します。For more information, see 「デバッグログ」を参照してください。
デバッグログのテーブル破損エラーの例:
[TCX][MyODBC]Can't open file: 'folderperms.MYD'. (errno: 145)
[TCX][MyODBC]Got error 134 from table handler
使用しているデータベースエンジンの種類に固有のデータベースの問題が発生する場合もあります。MySQL をデータベースエンジンとして使用している場合は、以下のほとんどの対策を利用できます。
MOVEit Transfer には、破損が検出されたテーブルを自動的に修復する MySQL データベースオプションが含まれています。自動修復では管理者のアクションは不要ですが、ここで簡単に説明します。このような破損が発生し、自動的に修復されると、データベースサーバーによって情報がログに記録されます。
このログ情報は、MOVEit Transfer サーバーの \mysql\data ディレクトリにある HOSTNAME.err というファイルに保存されます。ここで、HOSTNAME はサーバー名です。
破損検出および修復イベントのログの例:
041122 1:13:58 read_const:Got error 134 when reading table ./moveitdmz/folderperms
041122 1:14:00 read_const:Got error 134 when reading table ./moveitdmz/folderperms
041122 1:41:46 Warning:Checking table: './moveitdmz/folderperms'
041122 1:41:46 Warning:Recovering table: './moveitdmz/folderperms'
テーブルを自動修復できない場合は、手動で修復する必要があります。手動修復プロセスの間、MOVEit Transfer サービスを停止する必要はありません。(ここでは説明のため、MOVEit Transfer サービスに FTP、SSH、IIS、Windows Scheduler、MySQL、SysStat が含まれているとします。)
注: この手順を正常に行うには、MySQL サービスを実行しておく必要があります。
データベーステーブルを手動で修復するには、MOVEit Transfer システムでコマンドプロンプトを開き、MOVEit Transfer のインストール時に作成された root アカウントを使用して MySQL サーバーにログインします。root アカウントを使用して MySQL サーバーにログインするには、cd コマンドで \mysql\bin
ディレクトリに移動し、次のコマンドを発行します。
mysql --user=root --password=YOUR_ROOT_PASSWORD moveitdmz
ログインしたら、破損が疑われるテーブルに対して CHECK TABLE コマンドを実行します。例を次に示します。
CHECK TABLE folderperms;
このコマンドを実行すると、通常、複数行の情報が生成されます。最後の行は、テーブルのステータスを示しています。CHECK コマンドの応答でテーブルを修復する必要があることが示された場合は、次のような修復コマンドを発行します。
REPAIR TABLE folderperms;
テーブルのサイズによってはこのコマンドの実行に数分かかり、複数の行が出力されます。修復が成功すると、出力の最後の行に「OK」というステータスメッセージが表示されます。
複数回試行しても手動修復プロセスが失敗する場合は、MOVEit サポートにお問い合わせください。
多くのバックアッププログラム (Veritas など) が原因で、開いているデータベースや設定ファイルが破損することがあります。この動作は、プラットフォームに固有の問題ともいえます。このような問題を回避するには、次の方法のいずれか、または両方を試してください。
mysql_backup.bat
を使用することを検討してください。Ipswitch サポートサイト (https://www.ipswitch.com/support) をご覧ください。