組織管理者が「一時ユーザー」を作成するように Ad Hoc Transfer を設定した場合、登録済みユーザーがパッケージを送信すると、一時ユーザーの受信者は、そのパッケージ専用のパスワードを受け取ります。一時ユーザーの受信者はそのパスワードを使用してログオンし、パッケージを表示して、その中のファイルをダウンロードし、そのパッケージに返信することができます。一時ユーザーは MOVEit Transfer システムにアカウントを持つことになり、期間限定使用のシナリオに該当します。
管理者が「一時ユーザー」とともに未登録送信者を有効にした場合、未登録ユーザーは一時ユーザーの送信者として自己登録することができます。一時ユーザーの送信者は、「Captcha」を使用して自己登録した後に自動的にログオンするか、あるいは自己登録後に E メールで受け取ったパスワードまたは「パスワードリンク」のいずれかを使用して手動でログオンします。その後、パッケージを作成し、ファイルをアップロードして、送信することができます。
シナリオ例 1:アドホック
エリンは Ad Hoc Transfer の登録済みユーザーです。彼女の MOVEit Transfer 管理者が一時ユーザーへのパッケージ送信を有効にしています。エリンには、連絡先リストの登録済みユーザーで構成された限定リストに含まれていない E メールアドレス宛てに MOVEit Transfer パッケージを送信するオプションが表示されています。組織外のユーザーであるロジャーに送信する新しいパッケージを作成しているとき、エリンはロジャーの E メールアドレス、フルネーム、パスワードを入力し、パスワードを電話でロジャーに伝えました。
新しい一時ユーザーのロジャーは Ad Hoc Transfer に対して制限付きアクセス権があり (エリンとのみ通信可能)、彼のアカウントは 7 日間アクティビティがないと (またはエリンが管理者として設定した一時ユーザーの有効期限設定に従って) 自動的に期限が切れます。
シナリオ例 2:アドホック自己登録
デビッドは未登録ユーザーですが、一時ユーザーとして自己登録するために設定された MOVEit Transfer サインオンページ (または同等の API) にアクセスできます。デビッドは、Ad Hoc Transfer の登録済みユーザーであるエリンにパッケージやファイルを送信する必要があります。通常ならエリンは、管理者にデビッドをシステムに追加してもらう必要がありますが、一時ユーザーとしての自己登録が有効になっているため、デビッドは自己登録して、エリンの E メールアドレスにパッケージを送信することができます。デビッドが自己登録した後、彼はマリーの E メールアドレス、自分の E メールアドレス、「Captcha」の質問に表示された文字 (自分がロボットではないことを証明するため) を入力しました。次にデビッドはパスワードの入力を求められました。
これでデビッドは一時ユーザーとして設定されました。このパッケージについて、デビッドには Ad Hoc Transfer に対して制限付きアクセス権がありますが (エリンとのみ通信可能)、アカウントの期限が切れるまでは、さらに広いアクセス権 (他のユーザーにも送信できる権限) を持つように設定されています。デビッドのアカウントは 7 日間アクティビティがないと (またはエリンの管理者が設定した一時ユーザーの有効期限設定に従って) 自動的に期限が切れます。
マリーはほんの数秒で、デビッドが送信した新しいパッケージへのリンクを含む E メールを受け取りました。マリーは E メールまたは MOVEit Transfer アカウントを使用してパッケージの表示、ファイルのダウンロード、デビッドへの返信とファイルの送信を行うことができます。
注:
ゲストユーザーは一時ユーザーと同じ機能がありますが、ゲストユーザーはさらに 1 つのパッケージを表示して送信するだけに制限されます。管理者が「パッケージのパスワード」を使用するように Ad Hoc Transfer を設定した場合、登録済みユーザーがパッケージを送信すると、ゲストユーザーの受信者は、そのパッケージ専用のパスワードを受け取ります。ゲストユーザーの受信者はそのパスワードを使用してログオンし、パッケージを表示し、その中のファイルをダウンロードして、そのパッケージに返信することができます。ゲストユーザーは MOVEit Transfer システムのアカウントがありません。ゲストユーザーは、一回限定使用のシナリオに該当します。
管理者が「パッケージのパスワード」とともに未登録送信者を有効にした場合、未登録ユーザーはゲストユーザーの送信者として自己登録することができます。ゲストユーザーの送信者は、「Captcha」を使用して自己登録した後に自動的にログオンするか、あるいは自己登録後に E メールで受け取ったパスワードを使用して手動でログオンします。その後、パッケージを作成し、ファイルをアップロードして、送信することができます。
リンダは部門の IT マネージャーとして、ユーザーアカウントの追加と削除、MOVEit Transfer システムと部門の Web ポータルの外観の照合を担当し、ファイル送信操作も管理しています (送信履歴を追跡するためにログやレポートを使用することもあります)。リンダには管理者アカウントが理想的です。
SysAdmin アカウントは、最上位のアクセスレベルが与えられています。SysAdmin アカウントを使用すると、MOVEit Transfer サーバーをホストし、展開している組織の人に、組織の作成、設定、削除を許可することができます。SysAdmin は、MOVEit Transfer システムで組織の管理者の役割を果たすこともできますが、重要な例外が 1 つあり、特定の組織に対してファイルの読み取り/書き込みを行うことができません。この制約は、各組織のプライバシーと機密性を強制し、各システムの管理者がローカルファイルシステムを使用するユーザーを確実かつ継続的に管理するためのものです。
SysAdmin アカウントは慎重に保護する必要があり、組織を確立、設定、削除する場合や、他のアカウントで変更できないグローバル設定を変更する場合にのみ使用する必要があります (デフォルトでは SysAdmin は MOVEit Transfer コンソールで使用される場合にのみシステムでの使用が許可されます)。
ナンシーはウッドストック第一銀行の Web サイトで、優遇利率の CD の広告を見つけました。「申し込み」のリンクをクリックすると、銀行が作成したフォームが表示されました。ナンシーはこのフォームに記入し、送信しました。このフォームにより、インターネットを介して MOVEit Transfer システムへの保護された接続が確立され、ナンシーが提供した情報は MOVEit Transfer システムの暗号化ファイルに格納されます。ナンシーは MOVEit Transfer システムにサインオンする必要はありませんでしたが、MOVEit Transfer 機能を使用することができました。したがって、ナンシーは匿名ユーザーです。
メリッサはウッドストック第一銀行の IS 担当者で、MOVEit Transfer システムのアカウントがあります。自分のローカルシステムでブラウザのブックマークを開くと、MOVEit Transfer システムのログインページが表示されます。ログインページが表示されている間、メリッサは匿名ユーザーです。このページから正常にログインすると、メリッサは認証ユーザーになります。
ナビゲーションメニューは、ユーザーの MOVEit Transfer ページの左側に表示されます。機能ページは、現在のユーザーのアクセス許可に応じて異なります。たとえば管理者ユーザーは、レポート生成や組織全体の設定にアクセスできます。このため、管理者として MOVEit Transfer にサインインした場合、ナビゲーションメニューは次のように表示されます。
ユーザーのアクセス許可レベルに基づいて表示される MOVEit Transfer アカウント機能の一覧を次の表に示します。
l =常に表示
アスタリスク (*) = MOVEit Transfer に必要なライセンスがあり、組織レベルのオプションが有効になっている場合にページが表示されます。