MOVEit Transfer のマルチホーミングとは、中央の環境が個別のホストまたは複数の IP アドレスで指示された要求を処理することを意味します。MOVEit Transfer では、これは、対応する SSL 証明書およびブランディングを使用して、単一の MOVEit Transfer インスタンスが 1 つまたは複数のホスト名に対する要求を処理することを意味します。
マルチホーミングの一般的な用途は次のとおりです。
たとえば、1 つのサイトが同じ MOVEit Transfer サーバー上で 2 つの異なる企業について「moveit.example.com」と「safestore.contoso.com」の両方をサポートするよう求められている場合、MOVEit Transfer はマルチホーミングを行っています。
マルチホーミング
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MOVEit Transfer クライアント |
モバイル、デスクトップ、タブレットのエンドユーザー。 |
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ホストされているサイト (例) |
複数のファイル転送エンドポイントのバインディング。一般的なエンドポイントのプロトコルと設定はさまざまですが、各エンドポイントには個別の IP アドレスのバインディングと証明書が必要です。 |
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証明書 |
ホストされている各サイトにバインディングされている証明書。 |
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ファイル転送アプリケーション |
MOVEit Transfer が提供しているプロトコル。 |
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ファイル転送サーバー |
オンプレミスまたはクラウドで実行されている MOVEit Transfer サーバー。マルチホーミング展開設定を使用すると、認識されるブランディング、ドメイン名、およびプロトコルに関係なく、クライアントへのファイルアクセスを保護できます。実際のサーバーは、通常はラックサーバーで実行されるか、クラウドソリューションの一部として実行されます。 |
マルチホーミングをサポートするには、複数の MOVEit Transfer 設定項目を調整する必要があります。これらの項目は、関連するサービスごとに分けることができます。
これらの項目も、設定に使用する必要のある設定ユーティリティごとに分けることができます。
前のサブセクションに挙げたさまざまなタスクを実施する方法は複数ありますが、推奨される手順は次のとおりです。
Windows Server 2008 以降では、追加の IIS Web サイトを作成する必要はありません。代わりに、Web サーバーレベルで複数の SSL 証明書を作成し、それらをバインディングに割り当てることができます。
複数の IP アドレスと SSL 証明書を 1 つの Web サイトに割り当てることで、複数の Web サイトを作成する複雑さを回避できます (Windows Server 2008 以降で利用可能)。
2 番目以降の組織では、[サイトバインド] ダイアログで上記の手順を繰り返しますが、残りの組織のバインディングと SSL 証明書を追加するには [追加...] を選択します。
MOVEit は、ベース URL に指定されているホスト名のみに基づいて、組織のブランディング表示をサポートします。
[Alternate Certificates (代替証明書)] ウィンドウで代替証明書が設定されている場合を除き、MOVEit Transfer FTP は、すべての受信 FTP/SSL 接続に対し、MOVEit Transfer Config ユーティリティ (DMZConfig.exe
) の [FTP Certs (FTP 証明書)] タブで設定されたデフォルトの証明書を提供します。各サーバー IP 値は、同じ名前の SSL 証明書を持つ IIS サイトで既に設定されている IP アドレスと一致する必要があります (たとえば、dmz.example.net の IIS サイトが IP アドレス 10.1.1.2 で既に接続をリッスンしている場合、代替エントリを追加することで、IP アドレス 10.1.1.2 が受信する接続に FTP サーバーから dmz.example.net 証明書が提供されるようにします)。
MOVEit Transfer のアップグレードは、MOVEit Transfer が初めにインストールされた IIS サイト以外のサイトで行われた特定の IIS 設定の変更を除き、マルチホーミングプロセスのすべての要素を処理または回避します。リリースノートには、MOVEit Transfer のバージョン間での IIS サイト設定の変更が詳細に記載されています。手動で変更を行う場合の具体的な手順については、弊社サポート部門にお問い合わせください。