MOVEit Transfer コンテンツスキャンを行うと、サードパーティ製のウイルススキャナー、サードパーティ製 DLP (情報漏えい対策) パターンおよび式エンジン、またはこれら両方を使用して、大規模なコンテンツスクリーニングを実施できます。コンテンツスキャンは、受信または送信ファイル転送を検査、分析、追跡、ブロックするための追加のコントロールレイヤーとして使用できます。
MOVEit Transfer との間でのデータの共有や追加は、ユーザー/ユーザーグループと以下の項目に基づいて制御できます。
コンテンツスキャンは通常、MOVEit Transfer の転送がファイアウォールをまたがって行われる場合に最も必要になります。MOVEit Transfer はデータのトランザクションを完了する前に、Internet Content Adaptation Protocol (ICAP) を使用してデータを適切なスキャナー (AV または DLP) に転送します。MOVEit では、スキャン結果に基づいてこの転送を許可またはブロックします。
転送方向 |
スキャンの種類 |
メモ |
送信 (MOVEit Transfer と Ad Hoc Transfer から共有) |
情報漏えい対策 |
DLP コンプライアンス。DLP ルールで識別されたコンテンツ (特権データやビジネスの機密データなど) の共有をログに記録するか、ブロックします。 |
受信 (MOVEit Transfer に追加) |
ウイルス対策、情報漏えい対策 |
AV 保護スキャン。 ルールセットに基づいた MOVEit Transfer ユーザーアクセスの DLP ルール評価、タグ付け、および判断。 |
サードパーティ製の AV インスタンスや DLP インスタンスは MOVEit Transfer とは別に管理および展開されます。スキャンを実行するサーバーの種類によって機能やパフォーマンスが異なる場合があります。サーバーは AV、DLP、または両方を実行するように設定できます。複数の異なる AV サーバーおよび DLP サーバーと通信するように MOVEit を設定できます。システムレベルでスキャンを有効にできますが、有効にできるのは一度に 1 つの AV サーバーと 1 つの DLP サーバーだけです。特定の AV プロセスまたは DLP プロセスを組織レベルで無効にすることができます。
次の主要な AV および DLP エンジンは MOVEit Transfer と互換性があります。ICAP プリミティブをサポートしている他のスキャンおよびコンプライアンスエンジンも使用できます。
ウイルス対策スキャナー |
テスト済み最新バージョン |
McAfee VirusScan Enterprise for Storage |
バージョン 1.3 で最終テスト |
McAfee VirusScan Enterprise |
バージョン 8.8 で最終テスト |
McAfee Web Gateway |
バージョン 7.8.2.8.0 で最終テスト |
Sophos Anti-Virus Dynamic Interface (SAVDI) スキャナー |
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Sophos for Network Storage |
バージョン 10.8.2 VE3.74.1 で最終テスト |
Symantec Protection Engine |
バージョン 7.8.0.141 で最終テスト。 |
Trend Micro InterScan Web Security Virtual Appliance (IWSVA) * |
バージョン 6.5 で最終テスト。 |
情報漏えい対策スキャナー |
テスト済み最新バージョン |
バージョン 7.8.2.8.0 で最終テスト |
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バージョン 15.x* で最終テスト |
*DLP Blocked 応答には、McAfee や Symantec などの一部のスキャンエンジンに対する追加設定が必要です。
注: これらのリストに新たに追加された項目や特定のバージョン要件については、MOVEit Transfer リリースノートを参照してください。
ウイルス対策スキャン ([SETTINGS (設定)] > [System (システム)] > [Content Scanning (コンテンツスキャン)] > [Anti-Virus (ウイルス対策)]) では、リモートウイルス対策サーバーを使用して受信ファイルをスキャンできます。MOVEit Transfer は、ICAP プロトコルを使用して受信ファイルをウイルス対策サーバーに送信します。ウイルスに感染していないファイルは MOVEit Transfer ファイルシステムに渡されます。
アップロードされたファイルが MOVEit Transfer によって以下のようにスキャンされます。
ウイルススキャンを有効にするには、以下が必要です。
注: ファイルの送信に AS2 モジュールを使用している場合、AS2 送信にはコンテンツスキャンが適用されないことに注意してください。AS2 送信のウイルススキャンには MOVEit Automation を使用してください。
ウイルス対策サーバーを設定したら、MOVEit Transfer 組織のコンテンツスキャンを設定します。ウイルス対策設定は、システム上のすべての MOVEit Transfer 組織に適用されます。
注: 詳細については、「コンテンツスキャン」のトピックを参照してください。
情報漏えい対策スキャン ([SETTINGS (設定)] > [System (システム)] > [Content Scanning (コンテンツスキャン)] > [DLP]) は、MOVEit Transfer が以下を実行できるように、ファイル送信とアドホック送信から受信したデータ (件名、メモ/本文、添付ファイルを含む) を外部の DLP サーバーに送信します。
MOVEit Transfer は ICAP プロトコルを使用して受信データを DLP サーバーに送信します。DLP サーバーはデータをスキャンし、設定されたデータ保護ポリシーを適用します。DLP サーバーが応答を返すと、MOVEit の設定によってその送信をブロックするか、検疫するか、または許可するかが決定されます。MOVEit は、DLP サーバーから返されたすべての DLP ポリシー違反をログに記録します。
注: ファイルの送信に AS2 モジュールを使用している場合、AS2 送信にはコンテンツスキャンが適用されないことに注意してください。
MOVEit Transfer で情報漏えい対策 (DLP) スキャンを実施するには、以下の手順を行う必要があります。
ダウンロードされたファイルが MOVEit Transfer によって以下のようにスキャンされます。
重要: システムで有効にできるのは、常に 1 つの DLP スキャナーだけです。
[Content Scanning (コンテンツスキャン)] が有効になっている場合、MOVEit Transfer は有効な AV スキャナーや DLP スキャナーが使用可能かどうかを数分ごとにチェックします。これは SysCheck ルーチン (「詳細トピック - システム内部 - スケジュールタスク」を参照) の一部であり、組み込み通知を生成できます。最初に AV スキャナーがチェックされ、次に DLP スキャナーがチェックされます。いずれかのスキャナーが使用できない場合は、[Send Errors To (エラー送信先)] の E メールアドレスに E メールメッセージが送信され、この状況に対処するまで MOVEit Transfer サーバーがファイルを送信できないことが警告されます。スキャナーが再び使用可能になると、スキャンが機能するようになったことを知らせる E メールが送信されます。
注: システム管理者は、コンテンツスキャナーの設定時に接続をテストする必要があります。必要に応じて MOVEit Transfer Check を実行することもできます。
ファイルをスキャンすると、ファイルの詳細ページにウイルス対策 (AV) サーバーまたは情報漏えい対策 (DLP) サーバーの情報が表示されます。
次の例では、[Content Scanning (コンテンツスキャン)] の 1 行目が AV サーバーの情報であり、2 行目が DLP サーバーの情報です。
ファイルのスキャンに失敗すると、ファイルをアップロードしたユーザーのホームページにエラーメッセージが表示されます。
ログファイルのエントリには、ステータス、ユーザー、ファイル属性のほか、ポリシー違反 (該当する場合) が含まれます。
エラーコード番号 (6100 ~ 6103) は、AV エラーの報告に使用されます。これは、ログをフィルターする際に便利です。コンテンツスキャンが原因でアップロードに失敗した場合、対応するログテーブルレコードに AV サーバー名とウイルス名 (可能な場合) が含まれます。
エラーコード番号 0 と 6150 は、DLP ポリシー違反の報告に以下のように使用されます。
コンテンツスキャンの通知マクロを有効にすると、ウイルス対策 (AV) と情報漏えい対策 (DLP) の両方のスキャン結果が報告されます。
以下の通知には、AV および DLP のいずれかまたは両方の情報が含まれる場合があります。
これらの通知の標準テンプレートには、コンテンツスキャンの結果は含まれません。カスタム通知テンプレートを作成して、スキャン結果を報告するマクロを追加できます。カスタム通知は、[Settings (設定)] | [Appearance (外観)] | [Notification (通知)] | [Custom (カスタム)] を使用して組織に設定できます。
これらのレポートには、さまざまな種類のコンテンツスキャンアクティビティが記載されます。2 つのレポートにブロックされた違反と DLP 違反 (許可およびブロック) のスキャン結果に関する特定の情報が記載されます。残りのレポートは保守用レポートで、累計数が示されます。
組織の管理者としてログインしている場合、レポートには組織のスキャン結果が表示されます。システム管理者としてログインしている場合は、レポートに複数の組織が表示される場合があります。
注: 通常は、古いデータをアーカイブするための、スケジュールされたクリーンアップタスクの実行方法に応じて、レポートには 30 日分のオンライン監査レコードと 30 日分のオンラインパフォーマンス統計が含まれています。